不妊症 婦人科のご相談

採卵しようとしても卵胞が見えない
採卵しても空胞、変性卵、異常受精
内膜が厚くならず胚移植出来ない
せっかく妊娠しても流産する

当店で相談が多いのはこの4つです。
特に習慣性流産の相談は多くなって来ています。

卵の質や子宮環境を改善するには卵巣を元気にする必要がありり、 内膜が厚くならない場合や流産を繰り返す場合は子宮環境を考える必要があります。
ただ子宮や卵巣は体の一部で、そこだけ切り離して良くする事は出来ません。
その為にはまず体全体に何か問題がないかを考えてみる事が大切です。
 体内に色々な汚れが溜まっていないか?
 気血水の流れが悪くなっていないか?
 必要なものは足りているか?
冷え、肩こり、便秘、アレルギー、舌の色、脈の状態など中医学的にチェックしてみるのがおすすめです。

当店は今まで愛知県で2000人以上の妊娠をサポートして来ました。
地域の情報も豊富です。
あなたの妊活がうまく行くように出来る限りサポートいたします。

習慣性流産
不妊症
 卵管閉塞
 卵巣機能低下
 早期閉経
 着床障害
 男性不妊
排卵障害
 中枢性
 多嚢胞性卵巣
 高プロラクチン
子宮筋腫
チョコレート嚢胞
卵巣嚢腫
更年期障害
子宮腺筋症
子宮内膜症
生理痛


せっかく妊娠しても流産を繰り返す場合

流産の原因は大きく分けて卵子側と母体側に分けられます。
卵子側の原因は染色体異常です。
染色体異常の卵子は着床しない事が多いのですが、時に着床します。
その場合は殆ど流産となります。
染色体異常の確率は年齢とも関係します。
ただ年齢がすべてではなく、年齢の割に卵子の質が良い場合と悪い場合があります。
漢方では腎の力と考えます。
補腎という方法で腎の力をアップする事が大切です。

母体側の原因は血流と免疫の問題があります。
血流が悪いと赤ちゃんに十分に血液が行かなくて赤ちゃんが育ちにくくなります。
また、妊娠を邪魔するような抗体があると血液が固まりやすくなり血栓が出来たりします。
この場合は体質改善をすると良いでしょう。

子宝相談について

病院に行く前の方
 なかなか妊娠しない 妊娠するか不安 高齢で心配 などの場合でまだ病院に行くほどでも無いと考えている方。
まずは漢方を試してみられると良いでしょう。西洋医学では子宮、卵管、卵巣など体を部品のように考えて治療します。
漢方の場合は体はつながった一つものものと考えます。
ですから、なかなか妊娠しない場合でも胃腸の調子を良くしたり、冷えを改善したり、ストレスに強くなるため気の流れを良くするなどもとても有効な方法です。
自分ではあまり異常が無いようでも漢方の専門家から見ると血液の汚れがたまっていたり、痰湿といって汚れた脂や繊維がたまっている場合があります。
また体に必要なものが足りない場合も。例えばエネルギー不足、潤い不足、血の不足などです。中医学では内蔵を肝・心・脾・肺・腎の5つに分けて考えます。
肝は西洋医学の肝臓だけでなく気の流れを調整する器官です。またホルモンの分泌は腎の働きで、卵巣の機能も腎の一部と考えます。
五臓は強ければ良いという訳ではなく他の臓器とのバランス、協調性が大切です。体質は一人ひとり違うので妊娠ならこの漢方薬というような決め方はしません。
中国国立大学の元客員教授の深谷彰と深谷幹子が丁寧にご相談いたします。
ただし排卵前にタイミングをとり続けて1年以上妊娠しない場合は最低限として卵管の検査と精子の検査は受ける事がおすすめです。

病院に行き始めた 体外はまだの方
不妊治療をする場合で、体外受精や顕微授精は妊娠率がかなり上がりますが、タイミングや人工授精の場合はあまり効果が出ない場合があります。
その場合でも漢方で妊娠しにくい原因を考えて、その人の体質にあった漢方を病院と併用すると妊娠率がよくなります。
よく不妊症なら当帰芍薬散や温経湯という使い方が見られますが、当店は不妊症だからこの漢方というような使い方はしません。
瘀血、痰湿などの汚れがたまると卵管の動きが悪くなったり、卵の質も低下しやすいものです。
生理の状態や体の状態からこれらの汚れがあるか判断して、汚れがあるようなら対策を考えます。
また血の不足、気の不足、潤い不足などがある場合はそれを補います。
ストレス、不眠、うつ、食欲不振、肩こり、頭痛、冷え、のぼせ、便秘、肌荒れ、アレルギーなど一見不妊と関係ないと思われるものが関係している場合も沢山あります。
一人ひとりの体質や状態にあってものを使う事が大切です。

体外を始めたがなかなか妊娠しない場合
体外でないないうまく行かない場合は、どの段階でつまずいているのか判断する事が大切です。
例えば、卵胞が膨らまない、膨らんでも採卵できない(空胞)、採卵できても卵の質が悪い(未熟卵や変性卵)、受精しない、分割しない、染色体異常が多い、内膜が薄くなかなか移植できない、胚移植しても着床しない、着床しても流産するなどいいろです。
年齢も関係します。この場合、使う漢方もちがいます。不妊症ならこの漢方というような選び方では本当の漢方の効果は出ないと考えてください。
中国国立大学元客員教授の深谷彰と深谷幹子が、どこでうまくいかないか、何が悪いか、体質などに問題は無いかなど中医学的に判断して、一人ひとりに適した漢方をお勧めいたします。



不妊症の漢方薬
不妊症の場合、まずなかなか妊娠しない原因を探す必要があります。
これには、西洋医学的な原因と中医学的な原因があります。
西洋医学的な原因としては、卵巣機能の低下以外にも、卵管の機能低下、子宮の着床能力、精子、抗体などさまざまな問題があります。
西洋医学的な原因が違えば使う漢方も違います。
ですので、西洋医学的な原因をしっかりつかんでおく事が大切です。
それぞれの漢方は、各項目を参考にしてください。

時に西洋医学では原因不明の場合もあります。
その場合でも、中医学的な原因がある事が多いです。
また、西洋医学的な原因が同じでも、体質によっては治療方法、漢方薬が違います。
ですので、西洋医学的な原因と中医学的な原因をあわせて考える事がとても大切です。

体質を整える事は、不妊症だけでなく、他の病気の改善にもなります。

 気血両虚タイプ
  気( エネルギー )と血が不足して、生理の原料が足りないタイプ。
  この場合は、気血を補う漢方など体を温めるような漢方薬を使います。

 腎陽虚タイプ
  ホルモンは腎と密接な関係をもっています。
  このうち、黄体ホルモンと関わりのふかいものが、腎陽です。
  冷え性で、体温が低い場合は、このタイプの可能性があります。
  腎陽を補うような漢方薬などを使います。

 気滞タイプ
  ストレスが多く、イライラしたり、生理の前に胸がはったりします。
  気滞を改善するような漢方薬などを使います。

 瘀血タイプ
  血液のよごれが多いタイプ。生理の色がくろっぽく、塊が混じります。
  また、生理の時に、つるような痛み、刺すようないみが出ます。
  瘀血を改善するような漢方薬などを用います。
  瘀血には、通常の瘀血と陳久瘀血があります。
  通常の瘀血は、血液をサラサラにするような漢方で大丈夫ですが、
  陳久瘀血の場合は血管の外で固まった古い血なので、
  通常の血液サラサラのものでは難しいです。
  この場合は水蛭とか、地竜といった動物系の生薬が必要です。 

湿熱タイプ
  普段から、色の濃い、臭いのあるおりものが多く、時に痒みがあったりします。
  生理の色は、赤黒く、どちらかというと、暑がりで、湿疹やおできなどが出来やすい
  タイプです。
  清熱利湿作用のある漢方薬などを使います。

これらの状態を判断するには、症状だけでなく、舌の色、脈の状態、血流などを参考にします。
いくつかのタイプが同時にある事が多いので、実際には上記のように単純ではありません。
私も30年以上漢方を勉強していますが、なかなか判断が難しい場合に遭遇します。

また、このあたりの考え方は治療する人の経験に多く左右します。
ですからお店によって考え方が違う事もよくあります。
説明に納得できなかったり、効き目があまり感じられない場合は別なお店での相談も考えてみてください。



卵管に問題がある場合
卵管が詰まっているので体外をしているという方がよくあります。
ただ、詰まっている卵管は、絶対に体外でないと妊娠しないという事ではありません。
実際、漢方薬で自然妊娠する事はよくあります。
少なくとも片側の卵管が通っていなければ自然妊娠出来ないので、自然妊娠したという事は少なくとも片側の卵管は通ったという事になります。

卵管の閉塞は中医学的に言うと、痰瘀互結と言って、汚れた血液、繊維、脂、水なようなものが卵管の通りを悪くして、つまってしまうと考えます。
ですから、これらの汚れを綺麗にするものを使うと自然妊娠する事がよくあります。
また、再度、卵管の検査をすると通っている事もあります。
勿論、年齢や状況も加味して、高年齢の場合は卵管以外の部分でも妊娠しにくいので体外を行う事は良いと思います。
ただ、年齢が若く、精子の状態もよい場合は、半年くらい漢方を飲んで再検査をしてみる方法もおすすめです。
それでだめな場合はそれから体外を考えてみられても遅くはないでしょう。



卵巣の機能低下
 FSHが高い
 AMHが低い
 高温期が短い
 低温期と高温期の温度差が少ない
などでの場合は卵巣の機能低下の可能性があります。

FSHは卵胞を膨らませるアクセルのようなものです。
卵巣機能が低下すると卵胞の膨らみが悪くなり、アクセルを強く踏む必要が出てきます。
この原理でFSHが上がって来ます。
FSHが10を超えると、少し卵巣の機能低下が始まっていると考えます。

AMHは、卵巣の中の卵子の在庫ではありません。
三ヶ月後に排卵する予定の卵胞から出るものです。
沢山の卵胞が膨らんでいるとAMHが高くなります。
ただ、その事と卵巣の中の在庫とは必ずしも一致しません。
例えば、多嚢胞性卵巣というような状態で沢山の卵胞が一度に膨らみ始めるとAMHが高くなります。
卵巣年齢と言われる事もありますが、どちらかというと体質です。
ただ、今まで高かったAMHが下がってくる場合は卵巣の機能低下があるかもしれません。

高温期は黄体ホルモンの働きで体温が高くなります。
高温期が短かったり、低温期との温度差が少ない場合は黄体ホルモンの分泌が悪い状態と考えられます。
黄体ホルモンの分泌が悪いのは、黄体の状態が良くないためで、その原因としては良い卵胞が膨らまないか
排卵がうまく行っていない可能性があります。

これらの事を総合して、卵巣の機能低下と考えます。

中医学的には卵巣は腎の一部と考えます。
ですから、腎の機能強化が大切です。
大切な部分を植物の発芽に例えると

 軟堅などの作用の漢方で、畑をたがやして空気を含ませる
 滋陰作用のもので、土に潤いを与える
 腎精を補うもので、種の質をよくする
 腎陽を補い、発芽のエネルギーをつくる

となります。
どれも大切ですが、土地を耕す事が忘れがちになるので、この部分は特に注意しています。



早期閉経の漢方薬
卵巣機能低下が進むと、排卵しなくなります。
人によっては、40才前に閉経してしまうケースがあります。
原因は不明なのですが、「中医雑誌」という中国の漢方の雑誌には「抗卵巣抗体」という記述があります。
どのように検査するのかは解らないのですが、確かに卵巣そのもの、もしくは卵巣の組織、あるいは卵胞に対しての抗体があるとこのような事が起こる可能性はあります。
自分で自分の組織を免疫が攻撃するものを自己免疫疾患と言い、甲状腺に対する橋本病が有名です。
抗体があると、炎症がおこり、卵巣が固くなる可能性もあります。
卵子が入った卵胞は卵巣の中が大きく膨らむ必要があり、卵巣が固くなると膨らみにくくなります。
この部分は多嚢胞性卵巣とよくにた部分もあります。
ただ、自己免疫以外の原因で、早期閉経を起こす可能性もあります。

自己免疫疾患は、広い範囲ではアレルギーに近いもので、漢方もアレルギーの治療と同じように考えます。
免疫は目に見えなくて働きがあるもので、これを中医学では「気」と呼んでいます。
気の流れが悪くなった状態を気滞と言い、殆どがこれに属します。
ただ、気の流れを整えるだけでなく気滞を起こす原因も考えます。
気滞と関係があるのは血の汚れで、これを瘀血と言います。
また気の流れをコントロールしているは肝で、さらに免疫は肺の機能とも関係します。

卵巣機能は中医学では腎の働きと考えます。
ですから腎の機能強化も大切です。

当店では、体内浄化といって体内の汚れを綺麗にして、補腎により卵巣機能を助け、さらに疏肝理気といった方法で気の流れを正常化する方法を提案しています。



着床障害
不妊症の場合、どの部分でつまずいているかはっきりしない事があります。
着床障害の場合、何回も良い受精卵をもどしても着床しない場合、この可能性があると考えます。
原因不明の不妊症の場合、ピックアップ障害か着床障害が多いのですが、ピックアップ障害は体外受精で回避できても、着床障害に関しては西洋医学では良い方法がありません。
また、西洋医学でも色々な仮説があり、現状では決定的な原因が解りません。
西洋医学的には
 子宮の動きが強すぎる 子宮動態検査
 着床の窓のずれ    ERA検査
 銅と亜鉛のバランス  銅亜鉛検査
 慢性子宮内膜炎
 子宮内フローラ
 子宮内の免疫  (受精卵に対する抗体、抗内膜抗体、遮断抗体など色々な仮説があります。)
など、色々考えられていますが、原因が複雑ではっきりしません。

当店の場合、免疫のバランスと、子宮の動きなどを中心に考えていきます。
免疫のバランスは中医学では気の流れと関係します。
また子宮を動かすのも気の働きなので、まずは気の流れを中心に考えています。
内膜には潤いが必要なので、潤いを与える作用の漢方も使います。
また、じんましん、アトピーなどがあるは場合は、それも考えて漢方を使う必要があります。
特に、一人目の妊娠中にじんましんが出るようになった場合は、じんましんが治ると妊娠する事があります。
勿論、漢方は一人一人の体質にあわせて考えます。
血流が悪い場合は血流を改善するもの、胃腸が弱い場合は胃腸の働きを良くするものなどを使っていくと、着床しやすくなる事が多いので、子宮だけ考えるのではなく、体全体の事を考えていく事が大切です。



男性不妊と漢方薬
男性不妊の原因としては、精子の問題と勃起の問題があります。
勃起の問題は、本人にとって深刻ですが、射精できれば人工授精が可能です。
また、シリンジ法と言って、自分で精子を紙コップにとって注射器の筒のようなもので膣内に入れる方法があります。
当店でも何人もの方がそれで妊娠されました。
タイミングをとる場合でも、その方法を準備しておくとプレッシャーが少なく、うまくタイミングをとれる事が多いものです。

精子の数や運動率、奇形率の問題の場合、どの部分に原因があるか考えます。
1.精巣(睾丸の問題)
精巣で精子が作られない場合です。
全く作られない場合は無精子症で、TESEなどの手術で精子が得られる場合があります。
顕微下で手術するmicro-TESEという方法が効果が良いので、それが出来る病院を探してみてください。

精巣は中医学では腎の一部と考えますから腎を丈夫にする方法を考えます。
この時に大切なのは、
種 腎精
土と水 腎陰
太陽 腎陽
地面を耕す 活血理気化痰
の4つです。
これらの中から必要なものを組み合わせます。

2.保存の問題
精子は精巣の中では傷つきませんが、精巣から出た状態だと、いろいろな体内の汚れや毒素によって傷ついたり壊れたりします。見た目が良い精子でも、DNAが損傷している事もよくあります。
禁欲期間が長すぎるとDNAが壊れた精子が多くなるというデータがあります。
体調を整え、体の汚れをきれいにすると精子の状態がよくなります。
また精巣の横に精索静脈瘤があると熱がこもり精子の状態が悪くなります。
血流をよくする漢方も大切です。

3.精子の通路の問題
精子を運ぶ通路がつまっていると無精子症になります。
これは一般的には手術が対応です。
ただ、あるお客さんで、ある時は精子はゼロ、ある時は正常という方がありました。
この場合は完全につまっているわけではないので、化痰とか活血化瘀などの漢方で通りがよくなる可能性があります。

4.慢性前立腺炎
慢性的に前立腺に炎症がある方があります。
精液に白血球があるような場合です。
この場合は清熱解毒系統の漢方を使います。
また、このような場合は、抗精子抗体をもっている場合があります。
よく言われている抗精子抗体は女性の抗体が精子を攻撃するのですが、この場合は男性が自分自身の精子を攻撃する自己免疫です。
自己免疫は中医学的にはアレルギーの治療と同じで去風作用のあるものをよく使います。

流産の原因としても精子の質は大切です。
染色体異常がある精子が受精すると、妊娠しないか、妊娠しても流産の可能性があります。
精子の数、運動率が正常でもDNAの損傷率が高い方があります。
ただ、残念ながら精子のDNSを調べてくれる病院はわずかです。



排卵障害と漢方薬
排卵障害の場合は、一般的には生理不順になりますが、排卵しなくても生理になる場合もあり、生理の状態だけでは排卵しているか解りません。
排卵しないと妊娠は出来ませんから、妊娠の爲には排卵障害を治す必要があります。
排卵障害の原因としては、中枢性と卵巣性の2つに分類されます。
中枢性は、脳から卵巣への命令がうまく出ていないか、バランスが悪いなどがあります。
まず、脳の視床下部がGmRHというホルモンが脳下垂体に命令を伝えます。
脳下垂体はこのホルモンを受け取るとFSHというホルモンを出して、卵巣に卵胞が膨らむように命令します。
卵胞が膨らんでくると、今度はLHというホルモンが出て、それで排卵します。
これらのどこかに異常があると、排卵できません。
 視床下部からのGnRHが出ない
 脳下垂体からのFSHが出ない
 脳下垂体からLHが出ない
 FHSとLHのバランスが悪い
などが考えられます。
これらをまとめて中枢性の排卵障害と言います。
これ以外にも、母乳を出すホルモンのプロラクチンが高いと排卵しにくくなります。

卵巣性の場合は、卵巣の働きが悪い、卵巣が硬いなどが考えられます。
卵巣の働きが悪い場合は早期閉経に多く、卵巣が硬いのは多嚢胞性卵巣に多く見られます。

排卵障害の場合、どこに原因があるかはLH-RHテストというものを受けてみます。
生理の3日めくらいに、脳下垂体を刺激するホルモンの注射をして、それに対して採血して脳下垂体の反応を見るものです。
もしLHやFSHが正常に分泌されるなら、視床下部に問題があると考えます。
うまく分泌されない場合は脳下垂体に原因があると考えます。
FSHが高くなる場合は卵巣の機能低下が考えられ、LHが高くなれば多嚢胞性卵巣の可能性が高くなります。
これらの原因によって、漢方の使い方も変わってきますので、排卵障害の場合はこれらの検査を受けて見ることをお勧めします。

またごく稀ですが、FSHやLHに対する抗体がある可能性もあります。
この場合は分泌されたHSFやLHが抗体によって壊されてしまいますので、下垂体型の排卵障害と同じようになります。



中枢性の排卵障害
中枢性の排卵障害としては、視床下部型、脳下垂体型があり、これ以外に高プロラクチン、ホルモンバランスなども含めて考えてみます。

まず、中枢性というのは排卵しない原因が卵巣ではなく、脳あたりにあるという意味です。これを理解するためにFSHとLHという2つのホルモンを考えてみる必要があります。FSHは脳下垂体から分泌されて卵巣に卵胞をふくらませるように命令する刺激ホルモンです。LHは膨らんでき来た卵胞を排卵させる作用があります。ですからこの2つのホルモンが正常に働かないとうまく排卵できません。

FSHとLHは脳下垂体から分泌されますが、そのためには視床下部からのGNRHというホルモンが必要です。視床下部は自律神経などの中枢で、色々な仕事をしています。もし視床下部が忙しくてGNRHを分泌しないとFSHもLHも出なくなり、排卵障害となります。これはストレスで生理が来ないなどの場合によく見られるものです。ただ、一時的な事が多く、ストレスがなくなれば自然に回復していくケースが多いです。もし漢方を使うなら、ストレス対策に良い理気薬などを使っていきます。

脳下垂体の働きが悪いと、視床下部からGNRHが届いてもFSHやLHを分泌する事が出来ないので、やはり排卵障害になります。またFHSとLHのバランスも大切です。卵胞が膨らむまではFSHが多く、排卵が近づいてくると今度はLHが多くなります。このバランスがとても大切で、もし卵胞が膨らんでいないのにLHが多くなってしまうと、卵胞が膨らんでいないのに排卵しろという命令が来る事になるので、卵巣は混乱してしまいます。脳下垂体の働きが悪くなる原因の一つとしては極端なダイエットがあります。太り過ぎの人は妊活にとってダイエットはとても有効ですが、痩気味の人がさらに痩せようと無理なダイエットをすると生理がとまってしまいます。この場合、体重が戻っても生理はなかなか回復しない事が多いので要注意です。

これ以外に高プロラクチンというものがあります。プロラクチンは母乳を出すホルモンですが、同時に排卵を抑制する作用もあります。授乳中に生理が来にくいのはプロラクチンの影響です。授乳中でも無いのにプロラクチンが多く分泌されると基礎体温がギザギザになり排卵しにくい状態となります。昔からよく使われているものに入麦芽があります。入麦芽はもともと回乳と言って断乳に使うものです。

中枢性の排卵障害で視床下部型か脳下垂体型かよく解らない場合はLH-RHテストというものを行います。これは視床下部から分泌されるGNRHと同じものを注射して、脳下垂体の反応を見るものです。脳下垂体に異常が無い場合はFSHやLHが正しく分泌されます。もしGNRHを注射してもFSHやLHが上がらない場合は脳下垂体に問題があると判断します。脳下垂体に異常がある場合は飲み薬の排卵誘発剤は効き目が悪いですが、注射の誘発剤は効くのが特徴です。



高プロラクチン血症と漢方薬
プロラクチンは、母乳を出すホルモンですが、排卵を抑制する働きもあります。
産後、母乳を与えていると生理が来ないのは主にプロラクチンの為です。

プロラクチンは、脳下垂体から出るホルモンですが、それをコントロールしているのは視床下部です。
視床下部は、自律神経の中枢でもありますから、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、
ホルモンのバランスも崩れて、高プロラクチン血症になると考えます。
視床下部がプロラクチンをコントロールしているとは言え、プロラクチンの分泌を促すようなホルモンは発見されていません。
普通、脳下垂体から出るホルモンは視床下部からのリリースホルモンの刺激によって分泌されます。
ただ、プロラクチンリリースホルモンというものはまだ発見されていません。
この事から、何もしないとプロラクチンは出っぱなしになり、脳がプロラクチンの分泌を抑えていると考えます。
この抑えが弱いと高プロラクチン血症になるのではと考えられます。

プロラクチンは、感情との関係だけでなく、いろいろな新薬との関係も密接です。

分泌を促進するもの
塩酸イトプリド製剤《消化管運動賦活剤》
塩酸スルトプリド製剤《ベンザミド系抗精神病剤》
塩酸ベラパミル製剤《フェニルアルキルアミン系カルシウム拮抗剤》
ドンペリドン製剤《消化管運動改善剤》
メチルドパ製剤《α-刺激性血圧降下剤》
メトクロプラミド製剤《ベンザミド系消化器機能異常治療剤》 など。

分泌を抑制するもの
塩酸タリペキソール製剤《非麦角系ドパミンD2‐受容体刺激剤》
メシル酸ブロモクリプチン製剤《持続性ドパミン作動・麦角アルカロイド誘導体》
ネモナプリド製剤《ベンザミド系D2-ドパミン受容体遮断剤》

一口に高プロラクチン血症と言っても、次の3種類あります。

高プロラクチン血症
潜在性高プロラクチン血症
プロラクチノーマ

潜在性高プロラクチン血症は、数値的には正常でも、高プロラクチン血症と同じ症状が出るものです。
潜在性高プロラクチン血症の場合は、夜にプロラクチン血症が上がり、昼は正常近くなります。
また、プロラクチンに対する感受性が高まっている事もあります。
潜在性高プロラクチン血症を調べるには、ホルモン負荷試験を行います。
漢方的な治療は、高プロラクチン血症と差がありません。

プロラクチノーマは、脳下垂体の良性腫瘍です。
腫瘍による刺激の為、プロラクチンが大量に分泌されるものです。
この場合の漢方治療は、他とは異なりますし漢方の効果は出にくいもので、今回は割愛させて頂きます。

プロラクチンが高いと基礎代謝はギザギザになります。
ただ、ギザギザでも排卵していれば妊娠は可能で、妊娠のために必ずプロラクチンをさげなければいけないという事では無いようです。

では、漢方ではプロラクチンの事をどのように考えているのでしょうか?

それを理解する為に、母乳の分泌を漢方的に説明してみます。

五臓六腑の余血は、衝脈に注がれます。
衝脈は腎につながっています。
衝脈が一杯になるとあふれ出して生理になります。

ところが、生理が止まっている状態ですと、衝脈にたまった気血津液は下にあふれ出さず、
衝脈とつながっている胃経にそってのぼっていきます。

胃経は、乳房につながっていて、衝脈から流れ込んだ気血津液は母乳になります。

ちなみに、男性では生理にも母乳にもならないので、さらに上って髭になるそうです。

このあたり、現代医学的な解釈と違いますが、これが漢方の考えです。

昔から、母乳が出ない時は、穿山甲、タンポポ、牛蒡子を使いました。
母乳を止めたいときは、炒り麦芽を使っていました。
プロラクチンというホルモンが発見されるずっと前から炒り麦芽は
母乳を止めるのに使われていたのです。

プロラクチンをコントロールしている視床下部は肝との関係が密接ですから、
プロラクチンもやはり肝との関係が密接といえます。
プロラクチンが高いと、基礎体温がギザギザになるのは、
肝鬱気滞と深い関係があるからだと思います。

乳房は胃経ですから、胃の働きをとも関係があります。(ちなみに乳頭は肝経です)

(プロラクチンを抑えるテルロンの副作用として吐き気がありまずか、
漢方的にはプロラクチンと胃が関係していると考えると理解しやすいかもしれません。)

漢方ではプロラクチンの改善をする場合、視床下部である肝と、
それの上部中枢の脳(心)、胃の3つを考えて治療する事が大切です。
視床下部型のところで「二陽之病発心脾、有不得隠曲、在女子爲不月」につてい説明しましたが、
これは、プロラクチンも関係があると思います。

基本的には、疏肝利気、健脾消導、安神の3つを体質や状況によって上手に使っていく事です。

脾の消導作用は、肝の疏泄によってバックアップされています。
心と肝との関係も密接な事から、これらの3つは、お互いに切り離せない関係になりますので、
全体のバランスを考えながら治療していく事が必要です。

なお、多嚢胞性卵巣で、高プロラクチン血症がある場合は、私は先に多嚢胞性卵巣を治療しています。
そうすると、自然にプロラクチンが下がる事が多いようです。